農地を住宅用地や事業用地として利用する場合、農地転用だけでなく、都市計画法上の開発許可、接道、排水、上下水道、擁壁、造成など、複数の条件を確認する必要があります。
当事務所では、対象地の法令・現地条件・インフラ・事業性を整理し、売却、宅地化、事業用地化などの可能性を検討します。
農地転用・開発許可で確認する主な事項
農地転用の区分と手続
農地所有者が自ら農地を転用する場合は農地法第4条、売買や賃貸借などの権利移転・設定を伴って転用する場合は農地法第5条の手続が基本となります。
対象地の農地区分、市街化区域・市街化調整区域の別、農用地区域への該当状況などを確認し、許可または届出の要否を整理します。
開発許可の要否
建築物の建築などを目的として土地の区画や形状を変更する場合、都市計画法上の開発行為に該当することがあります。
開発区域の面積だけでなく、道路、給排水施設、防災措置、自治体の条例や技術基準を確認し、開発許可の要否と必要な協議を整理します。
接道・排水・上下水道
農地転用が可能であっても、接道条件や排水先、上下水道の整備状況によっては、予定する建築や土地利用を実現できない場合があります。
道路の種別・幅員・接道状況、雨水及び汚水の排水先、上下水道の引込み可否や整備費用などを確認します。
盛土・擁壁・造成計画
高低差のある土地では、盛土・切土、擁壁、地盤改良、排水施設などの造成計画が事業費と安全性を大きく左右します。
盛土規制法、開発許可の技術基準、擁壁の構造及び既存施設の安全性を確認し、必要な行政協議と概算工事費を整理します。
当事務所で対応できること
農地転用や開発許可は、申請書類を作成する前に、対象地で予定する利用方法が法令・現地条件・インフラの面から実現可能かを確認する必要があります。
当事務所では、土地の状況とご相談内容に応じて、次の事項を整理します。
土地条件と法令上の制限の確認
用途地域、市街化区域・市街化調整区域、農地区分、接道、排水、上下水道、擁壁、盛土など、予定する土地利用に影響する条件を確認します。
行政協議と必要手続の整理
農業委員会、開発許可担当部署、道路・下水道などの関係部署への事前確認を行い、必要となる届出、許可、協議及び添付資料を整理します。
活用方法と事業性の検討
売却、宅地化、事業用地化、隣接地との一体利用などの選択肢について、造成費、インフラ整備費、許認可上の条件及び周辺需要を踏まえて検討します。
ご相談から手続までの流れ
農地転用や開発許可は、申請書類の作成前に、対象地の法令上の条件、接道、排水、インフラ及び造成計画を確認することが重要です。案件により必要な手続や協議先は異なりますが、基本的には次の流れで進めます。
1.ご相談・資料確認
対象地の所在地、地番、現在の利用状況、予定する土地利用、ご希望の時期などを確認します。
公図、登記事項証明書、測量図、現況写真、土地利用計画図などの資料がある場合は、併せて確認します。
2.法令・現地条件の確認
市街化区域・市街化調整区域の別、用途地域、農用地区域、農地区分、接道、排水、上下水道、擁壁、盛土など、計画に影響する条件を整理します。
この段階で、農地転用や開発許可以外に必要となる手続についても確認します。
3.関係行政機関への事前相談
農業委員会、開発許可担当部署、道路、下水道その他の関係部署に事前相談を行い、許可・届出の要否、必要な協議、技術基準及び提出資料を確認します。
行政との事前相談により、申請前に計画上の課題が判明する場合があります。
4.手続方針・費用・スケジュールの整理
行政への確認結果を踏まえ、必要な手続、設計・測量の要否、関係者の同意、概算費用及び想定期間を整理します。
計画の実現が難しい場合には、その理由と、売却や利用方法の変更などの代替案を検討します。
5.申請・協議手続
必要な申請書、届出書及び添付資料を整え、関係機関との協議や補正対応を進めます。
測量、土木設計、建築設計、登記など、他の専門資格を要する業務が必要な場合は、土地家屋調査士、建築士、司法書士その他の専門家と連携します。
6.許可・届出後の事業化
許可の取得または届出の受理後、造成工事、建築計画、売却その他の事業化へ進みます。
許可条件や工事中の検査、完了手続がある場合は、その内容も確認しながら進行します。
※対象地の条件や計画内容により、手続の順序、協議先及び必要期間は異なります。事前相談の段階で許可取得を確約するものではありません。
よくある質問
市街化区域内の農地であれば、自由に宅地化できますか
市街化区域内であっても、農地を農地以外の用途に変更する場合は、原則として農地法上の手続が必要です。
また、農地転用の届出が受理されても、接道、排水、上下水道、開発許可、建築基準法その他の条件を満たさなければ、予定する建築や土地利用を実現できない場合があります。農地転用の手続と、宅地として利用できるかの確認は分けて考える必要があります。農地転用制度は、農地法に基づき農業利用と他用途の土地利用を調整する制度です。
農地転用の手続だけ依頼できますか
対象地の条件と利用計画を確認したうえで対応します。
ただし、農地転用だけを行っても、接道や排水、開発許可などの問題により目的を実現できない場合があります。そのため、申請書類の作成前に、予定する土地利用が実現可能かを確認することを基本としています。
開発許可が必要になる面積は一律ですか
一律ではありません。
都市計画区域の区分、自治体の条例、開発行為の内容などにより、許可が必要となる規模や基準は異なります。また、面積が基準未満でも、道路の整備や土地の区画・形状の変更内容によって、行政との確認が必要になる場合があります。
擁壁や盛土がある土地でも相談できますか
相談できます。
高低差のある土地では、擁壁の高さだけでなく、盛土・切土の規模、地盤、排水、既存擁壁の安全性などを確認します。盛土規制法の規制区域内では、工事の規模や内容に応じて許可・届出等が必要となる場合があります。また、都市計画法の開発許可を受ける工事では、盛土規制法上の許可を受けたものとみなされる場合がありますが、必要な検査や手続を含めて確認する必要があります。
相談時には、どのような資料が必要ですか
最初の相談では、対象地を特定できる所在地または地番と、予定する利用方法が分かれば確認を開始できます。
次の資料があれば、より具体的な確認が可能です。
- 公図
- 登記事項証明書
- 測量図
- 現況写真
- 土地利用計画図
- 道路や上下水道に関する資料
- 行政との過去の協議記録
資料がそろっていない場合は、必要な資料と取得方法を整理します。
手続にはどのくらいの期間がかかりますか
対象地の区域区分、農地区分、開発許可の要否、行政協議、測量・設計、関係者の同意などにより異なります。
農地転用だけで完了する案件と、開発許可、道路・排水協議、擁壁設計などを伴う案件では、必要な期間が大きく異なります。行政への事前相談後に、想定される手続とスケジュールを整理します。
許可を受けた後にも手続はありますか
工事内容や許可条件に応じて、工事の進捗報告、完了報告、検査などが必要になる場合があります。埼玉県の農地転用許可では、転用事業が完了するまでの進捗報告や、工事終了後の完了報告に関する様式が用意されています。